S-Column「日本がAIIBで果たす役割」

「今日の経験を明日用いない者には大成功は望みがたい」と言ったのは鹿鳴館を設立した大蔵喜八郎である。ADBの運用で苦労をしている日本は中国主導のAIIBにどのようにかかわるべきか。

麻生外務大臣は「返ってこないお金は貸せない」としてAIIBのガバナンスや資金運用の不透明さを指摘、参加を見送る。中国ありきのインフラ整備の受注を繰り返し、過剰融資となり資金が返ってこない恐れがある。

イギリスなどはこの不透明な資金運用を監視する役割も担う構えで、早期に参加を表明した。ADBの運営の経験がある日本もAIIBの運用を健全なものにするべく、中から中国に意見を言えるのではないか。中国は参加締め切り後にも日本に対して副総裁のポジションを用意する準備があったという。

米国とのTPPの交渉が続いていることもAIIBへの参加を渋った要因のひとつという見方もあるが、オバマ大統領の任期が迫っているこの状況なので、AIIBへの参加不参加にかかわらず、交渉は一定の形に落ち着くであろう。AIIBの始動が先回りする可能性も否定できない。

ADBの運用にあたり、環境や住民の強制退去などの反省から貸し出しの基準を厳しくしたという苦い経験をした日本。各国の国益云々もあるが、まずは経験を明日用いてはどうだろうか。

(村長)

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